林檎の木保育園の園庭には立派な遊具はありません。
高価なおもちゃもありません。
代わりに斜面上りや滑り台が出来る築山があります。
土や水があります。
築山の中には土管が通っていて、子供達の大好きな場所。
園庭はいろいろな種類の鬼ごっこの舞台になったり、
植木の落ち葉やどんぐりはままごとの材料になります。
夏には年長児たちが大楠の幹に止まった蝉を虫取り網で捕まえ
小さいクラスの子たちの憧れを集めています。
雨上がりの日にはそこここに水迷路が出来、
子供たちは心ゆくまでスコップ一つで何十分も泥に向き合います。
わざと水溜りに入る子たちを、先生方は叱らずに見守り、
子供が満足した頃に着替えさせてくださいます。
保育室は多少古くはなりましたが、
小さな子供でも園庭に出やすいように段差が小さくつくられています。
乳児が思い切りハイハイできるように、広い乳児室があります。
壁のない保育室は可動式の棚で仕切られていて、
子供達はまるで兄弟のように行き来しあいます。
保育室にテレビはありません。
代わりに絵本がたくさんたくさんあります。
先生は朝夕のお集まりに優しい肉声で絵本の読み聞かせをしてくださいます。
親が毎日食べたくなるようなバランスのいいお給食と、
マカロニ黄な粉、フルーツぜんざい、お好み焼き、蒸しパンといった
手作りおやつは子供達の毎日の楽しみです。
体を使ったあとのお給食はまた格別で
家では食べない食材も園ではお代わりしていると聞いて驚いたり。
私達はそんな保育園に、大切なわが子を託しています。
愛するわが子を誰かに託すとき、何を大事に考えて選びますか?
築山の土管は園舎にいらっしゃる先生方から見える向きに置かれています。
給食の先生方は便のゆるい子には煮物やお粥を用意してくださいます。
大人の声かけを借りて初めて表現できる自分もあります。
大人の介在を借りて徐々にわかってくるお友達の気持ちもあります。
気付かないうちに大人に見守られながら、やさしくゆったりした時の流れの中で
自分を育てていくわが子は、本当に幸せだと感じます。
皆さんも、私達の仲間になりませんか?
林檎の木保育園の一保護者の一人ごとでした。